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あやしい食虫植物園
初稿[2007/11/27]
改訂[200*/**/**]


ハエトリグサ(Dionaea muscipula)栽培への道


♪ e.ハエトリグサにまつわるエトセトラ ♪

 ★ ハエトリグサの増殖方法について

ハエトリグサは成長の遅い植物で、種子から育てると成熟するまで早くて3年、 長く掛かると7〜8年。
盆栽じゃあるまいし、小型の園芸植物としては致命的な欠陥であります。
従って種子からの繁殖は管理人及びその友人たちのようなズブズブのマニアの楽しみ方でしょう。

通常は株分けで増やします。
しかし、株分けできるほど充実した株に育てるのが一苦労なので一般的と言うには語弊があるかも。
株分けは休眠芽が芽出しする前の時期に行うのが最も適当であります。
りん茎状になった休眠芽を見ると何となく幾つかのブロックになっているのが見えると思います。 それを手で割ってやり、用土に植え込めば良いのです。
逆に言えば幾つかのブロックに見えないような株はまだ時期尚早。
あまり小さく分割するとその後の成長に影響するので無理をしてはいけません。


 ★ ハエトリグサの種子について

ハエトリグサの種子がアサガオやヒマワリのように種苗店から販売されていないのはなぜでしょう?

四季のある地域の植物で夏〜秋にかけて結実するモノは、 タネのまま越冬し春に発芽するものが多いのですが、 ハエトリグサは初夏に結実するのでその年の内に発芽してしまいます。
つまり種子のまま長い期間を過ごす事がないので、種子が短命なのです。

ハエトリグサの種子を保存しておくと、どんどん発芽率が低下してきて、 翌春に蒔いても1割も発芽しないと思います。
保存期間は精々3ヶ月が限度では無いでしょうか。
と言うわけで、その保存性からハエトリグサの種子は、 タキイ種苗とかサカタのタネから発売されないのであります。


 ★ ハエトリグサの人工授粉について

ハエトリグサは食虫植物でありながら、種子を実らすのに昆虫に頼る虫媒花であります。
屋外で栽培していると勝手に受粉・結実をする場合もありますが、確実に種子を得ようと思ったり、 品種間交配する際には人工授粉をしてやる必要があります。
『えっ!。雌しべに雄しべ(花粉)をなすりつければ良いのでしょう?』
と思った貴方!、物事にはすべからくタイミングと言うモノがあるのですよ。
ハエトリグサが開花した直後は雄しべ・雌しべとも成熟していません。
開花後、1〜2日すると雄しべが成熟し、先端にある葯が破れて花粉が露出してくるのです。
しかし、この時点ではまだ雌しべが成熟しておらず、雄しべに遅れることさらに1〜2日、 雌しべの先端がチアガールのボンボリの様に拡がって受粉の準備が出来たことを教えてくれます。
その時点で花粉を着けてやれば良いのです。
これは出来るだけ遺伝子の多様性を確保して、 自家受粉を重ねることによって生まれる脆弱性を避ける為の性質です。

この性質は品種間交配を行うには大変便利で、 開花直後に雄しべをピンセット等で取り除けば自家受粉する確率はゼロ。
雌しべが成熟してから他品種の花粉を着け、結実すれば確実に交配が成功となるわけです。



 ★ Dionaea muscipula (ハエトリグサ) ついて考える  JCPS情報誌 平成18年4月号 掲載
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